ベトナム法人・駐在員事務所の労務報告書|種類・期限・罰則

09/04/2026

労務報告はベトナム現地法人や駐在員事務所が定期的に提出を義務付けられている重要な手続きです。労務報告書の作成自体はそれほど難しくないものの、作成に先立ち年次健康診断や労働安全衛生トレーニングを実施しておく必要があること、また未提出・遅延提出の場合には罰則が科される可能性があることから、計画的に準備することが重要です。本コラムでは、ベトナム現地法人と駐在員事務所が当局に提出すべき労務報告について説明していきます。

労務報告書の種類と提出期限・提出先

ベトナム現地法人や駐在員事務所は1年を通して以下の労務報告書を提出しなければなりません。従業員の増減の度に提出を求められる労働報告書と、年1回提出する労務報告書、年2回提出する労務報告書があります。基本的には、提出する時期を迎えたタイミングで、その時点のベトナム現地法人・駐在員事務所の実態(労働者に関する情報や労働災害の発生有無、労働環境など)をそのまま報告書に記載するだけで問題ありません。一方で、労働安全衛生の報告書や労働衛生の報告書には、年次健康診断と労働安全衛生トレーニングを実施すべきという前提のもと、実施結果を記載する必要があるので、報告書の作成段階で予め完了している状態が好ましいです。

報告書の種類提出期限提出先
労働雇用の状況報告書6月4日及び12月4日管轄の内務局
労災状況報告書7月4日及び1月9日管轄の内務局
失業保険の加入状況報告書1月14日管轄の内務局
労働安全衛生の報告書1月9日管轄の➀内務局と②保健局の2箇所
労働衛生の報告書7月4日及び1月9日管轄の医療センター
労働安全衛生トレーニングの結果報告書
(自社で研修を実施する場合のみ)
12月14日➀管轄の内務局と②内務省の2箇所
ベトナム人労働者の採用・管理報告書
(駐在員事務所のみ)
12月14日管轄の雇用サービスセンター
労働力変動報告書従業員数変動月の翌月2日管轄の雇用サービスセンター

労務報告書の提出方法

オンラインでの提出やメールでの提出を原則とするケースもあれば、メールと原本の両方での提出が義務付けられているケースもあるなど、労務報告書の提出方法は、提出先によって異なります。同じ管轄当局に提出する場合にも、前回と異なる提出方法を要求される可能性もありますので、都度適切な方法で提出することが大切です。    

労務報告に関する罰則規定

労務報告に関する罰則規定では、労務報告書の未提出・提出遅延や、年次健康診断・労働安全衛生トレーニングの未実施が罰則の対象となっています。

報告書の種類罰則
労働雇用の状況報告書未提出・遅延提出・不正確な内容での提出
10,000,000VND – 20,000,000VND
 
労災状況報告書
失業保険の加入状況報告書
労働安全衛生の報告書未提出・遅延提出・不正確な内容での提出
2,000,000VND – 6,000,000VND
年次健康診断の未実施
10,000,000VND – 20,000,000VND/人
(上限150,000,000VND)
労働衛生の報告書 
労働安全衛生トレーニングの結果報告書
(自社で研修を実施する場合のみ)
労働安全衛生トレーニングの未実施
10,000,000VND – 100,000,000VND
ベトナム人労働者の採用・管理報告書
(駐在員事務所のみ)
 
労働力変動報告書未提出・遅延提出・不正確な内容での提出
4,000,000VND – 8,000,000VND
 

年次健康診断について

ここからは、労働安全衛生の報告書を作成するにあたって事前に実施すべき年次健康診断と労働安全衛生トレーニングについて説明します。年次健康診断については多くの病院が法令に沿った健康診断を提供していますので、直接病院に問い合わせの上、実施することになります。    

労働安全衛生トレーニングについて

労働安全衛生トレーニングを実施するための要件には、空間の確保や、設備・研修担当者の整備などが含まれており、この要件を満たすのは困難です。こういった背景からベトナム現地法人や駐在員事務所が自身で労働安全衛生トレーニングを実施するケースは多くありません。第三者の外部専門機関に委託することが一般的です。この場合には外部専門機関に労働安全衛生トレーニングの結果報告書を提出する義務が発生し、委託者であるベトナム現地法人や駐在員事務所がこの報告書を提出する必要はありません。ただし、外部委託の場合であっても、引き続き労働安全衛生の報告書に実施結果を記入する必要がある点には注意が必要です。

なお、労働安全衛生トレーニングは業務上必要なトレーニングのため、ベトナム現地法人や駐在員事務所には、従業員が当該トレーニングに参加する時間についても、給与支給の義務があります。

以上を踏まえ、年次健康診断や労働安全衛生トレーニングは早めに手配および実施することをお勧めします。

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